福島県内初の公立夜間中学が開校 「学び直し」17人入学

 
校名看板を設置する(左から)佐藤教育長、安斎さん、ベンさん、木幡市長

 福島県内初の公立夜間中学「福島四中天神スクール」が16日、開校した。開校式と入学式が福島市の同校で行われ、「学び直したい」との希望と夢を持った入学生17人が新たな一歩を踏み出した。

 入学式では、新入生一人一人の名前が読み上げられた。新入生代表の高野吉富さん(64)は「長年思い描いていた『もう一度学び直したい』という夢が実現することに感激し、期待で胸が高まる。一歩一歩粘り強く学んでいく」と誓いの言葉を述べ、渡部正晴校長は「学ぶことは楽しい至福の時間。学校行事も通して思い出もつくってほしい」と式辞を述べた。

 入学式の後、教室で学級活動が行われた。山田光裕教諭(60)がトーマス・エジソンやヘレン・ケラーが成功した秘訣を伝え、諦めずに学ぶ大切さを伝えた。時折笑いを誘う内容となり、教室には笑顔があふれた。

 入学した福島市の女性(65)は「勉強で分からないところは一対一で教えてくれると言っていたので、そこがいいと思った。クラスの生徒と仲良くなれるかどきどきするけど、誰一人欠けずにみんなで一緒に卒業したい」と話した。

 開校式の前には、校名看板がお披露目された。入学生の安斎陽海さんとベン・スレイニッチさん、木幡浩市長、佐藤秀美市教育長の4人が玄関前に看板を設置した。看板はさまざまな年齢、国籍の人がともに学ぶことを表現した「多様性」をイメージしたという。