玉川・石森氏、古殿・岡部氏、檜枝岐・星氏 3町村選で無投票

 
支持者らと万歳する岡部氏(中央)。左は妻啓子さん

 第19回統一地方選後半戦で、任期満了に伴う玉川、古殿、矢祭、檜枝岐、三島の県内5町村長選が16日、告示され、玉川、古殿、檜枝岐の3町村長選はいずれも無投票当選が決まった。

 無投票となった玉川村長選は現職の石森春男氏(68)=無所属=が4選、古殿町長選は現職岡部光徳氏(60)=無所属=が5選を果たした。檜枝岐村長選は副村長を務めた新人星明彦氏(63)=無所属=が初当選を飾った。

 石森氏4選、人口減対策に実行力

 【玉川】現職の石森春男氏(68)が4選を果たした玉川村長選では、人口減少対策などに取り組んできた実行力が村民の信任を得た形だ。

 昨年12月議会で立候補を表明。1、2期目で財政再建や災害復興に当たると、3期目では認定こども園の開園や誕生祝い金の創設、特産品サルナシのPRなどを推進した。地域おこし協力隊の積極的な採用や大学との連携など、新しい発想を柔軟に受け入れることで人口減少は鈍化しており、こうした取り組みが村民に評価されたことが、無投票当選につながった。

 福島空港を抱え、立地に恵まれる同村。若い世代の受け皿となる住宅の確保など課題は残る。好条件を活性化につなげられるか、真価が問われる4期目となる。

 岡部氏5選、交流人口拡大に成果

 【古殿】現職の岡部光徳氏(60)が無投票で5選を果たした古殿町長選。4期16年で築き上げた豊富な経験や人脈を持つ岡部氏に、町民はかじ取りを託した。

 岡部氏は昨年の12月議会で出馬を表明。「初心を忘れない」として座談会などを小まめに開き対話重視の姿勢を強調、多選批判の払拭(ふっしょく)を図った。4期目の目玉施策となった体育館建設の規模を巡っては反対の声も上がったが、整備後はさまざまなイベントを誘致、交流人口拡大に一定の効果を上げた。給食費の無料化や高齢者居住施設の整備などの幅広い世代に対応した新たな政策も打ち出した。

 円熟味を増した岡部町政。最大の課題となる人口減少に打開策を打ち続けられるのか、手腕が注目される。

 星氏初当選、行政マンの経歴期待

 【檜枝岐】新人の星明彦氏(63)が無投票で初当選を果たした檜枝岐村長選。現職が3月議会で不出馬を表明し、候補者擁立に向けて模索が続いた中、行政マンとして約45年の経歴を持つ星氏に白羽の矢が立った形だ。

 多くの課題に直面する同村。尾瀬の入山者数は1996(平成8)年度の約64万7000人をピークに2018年度は約26万9000人まで落ち込み、経営者の高齢化と後継者不足で閉店を余儀なくされる民宿もある。4月からは「無医村」となるなど、医師不在の状況も続く。

 一方、飲食店の進出など明るい話題もある。交流人口の拡大など観光産業を中心に新たな施策が打ち出されるか、星氏の手腕が問われる。