いわき市長選、投票率50%前後か 各陣営、浮動票取り込み鍵

 

 10日投開票のいわき市長選は6日、3候補が舌戦を繰り広げながら折り返しを迎えた。新人の宇佐美登候補(50)、元職の渡辺敬夫候補(71)、現職の清水敏男候補(54)=1期=の各陣営は投票率を50%前後と予想し、支持基盤の票固めを進める一方、有権者の2割強とみられる浮動票の取り込みに力を入れている。

 宇佐美陣営は、2013(平成25)年の前回市長選の投票率51.13%と昨年9月の市議選の投票率46.66%の間と予想。松原基勝事務局長は「投票率が上がれば好機がある」とし、当落ラインは前回市長選の5万5000票を下回るとみる。

 渡辺陣営の見方は投票率50%程度。市長選に対する認識の広がりを実感し、菅波健選対本部長は「関心は高まってきている。その中で浮動票をどれだけ取り込めるかが鍵」と話す。当落ラインは前回を上回る6万票とみている。

 清水陣営は投票率を前回を上回る55%と想定。再選に向け勢いづけるためにも、青木稔選対本部長は「投票率を上げなければいけない」と強調する。得票8万5000票を目標に設定しつつ、実際の当落ラインは6万5000票と考える。

 いわき市の2日現在の有権者数は27万7150人(男性13万5429人、女性14万1721人)。過去3回の投票率を見ると、05年が69.30%、09年が56.02%、13年が51.13%と年々低下。今回も有権者からは「一部の人が盛り上がっているだけ」との声も聞かれ、各陣営とも投票率の行方に注目している。