これが小高の自然環境 南相馬で企画展、震災後の調査成果紹介

 
「多くの方に来ていただければ」と語る仲川さん

 南相馬市博物館の企画展「しらべてわかった! おだかの自然」は9日、同市原町区の同博物館で始まった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後の同市小高区の自然環境を調査した成果を紹介しており、キノコの標本や動物の剥製などが並ぶ。5月6日まで。

 市博物館は2016~22年の間、津波や住民の避難による生態系の変化などを把握しようと自然調査事業を実施。有識者ら約70人が参加し、動植物や化石、岩石計1969種を記録した。

 会場には、調査で見つかった県内初確認となるアリ「トフシアリ」や、珍しいキノコ「コウボウフデ」の標本など約300種の動植物などを展示している。県内初記録の渡り鳥「アカツクシガモ」の写真パネルも用意した。同博物館の仲川邦広さんは「震災で植物や哺乳類、海鳥の分布に変化が生じたが、多様な生物が確認された。多くの方に来ていただければ」と語った。

 開館時間は午前9時~午後4時45分。月曜日休館。観覧料は一般400円、高校生200円、小・中学生100円。問い合わせは同博物館(電話0244・23・6421)へ。