民友マンガ大賞に郡山の白石さん 絵手紙部門はいわきの平子さん

 
民友マンガ大賞に選ばれた白石さんの「新!見ざる聞かざる言わざる」

 福島民友新聞社主催の第37回民友マンガ大賞の入賞作が決まりました。マンガ大賞に郡山市の会社員白石徹さん(60)の「新!見ざる聞かざる言わざる」が選ばれました。表彰式は来年2月5日に福島市の福島民友新聞社で行われます。

 マンガ大賞は日本漫画家協会東北ブロックの後援。今年のテーマは、マンガ部門が「マスク」、絵手紙部門が題材自由で、似顔絵部門は有名人・著名人を対象に募集しました。

【マンガ大賞】(大トロフィー、賞金10万円)
 「新!見ざる聞かざる言わざる」白石徹(60)=郡山市
【マンガ部門】
 ◇金賞(盾、賞金3万円)
 「コロナ禍の信号機」西脇幸司(65)=愛知県一宮市
 ◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「安全第一」平林剛(65)=郡山市
 ◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「マスク、ちゃんとつけて!」渡部義勝(71)=郡山市
【絵手紙部門】
 ◇金賞(盾、賞金3万円)
 「はじめの一歩は楽しみの道しるべ」平子正子(75)=いわき市
 ◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「コロナに負けるな」長堀正枝(65)=福島市
 ◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「クリスマス」佐藤公子(79)=福島市
【似顔絵部門】
 ◇金賞(盾、賞金3万円)
 「天国からのエール」長瀬久吉(70)=いわき市
 ◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「竹内結子さん」安永和義(68)=東京都清瀬市
 ◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「梅沢富美男さん」加藤教昭(55)=いわき市(敬称略)

 ユーモア込めマスクを表現

 県内外のアマチュア漫画家らが発想力や表現力を競う第37回民友マンガ大賞。「マスク」をテーマとしたマンガ部門の入賞作には、新型コロナウイルスの影響で日常に欠かせない存在になったマスクをユーモアたっぷりに表現した作品が選ばれた。

 今回のマンガ大賞には209人から335点が寄せられ、昨年の118人172点から大幅に増えた。

 マンガ部門には87人131点の応募があった。マンガ大賞に選ばれた白石の作品は、見ざる、聞かざる、言わざるの三猿をマスクで表現した。

 絵手紙部門には67人116点の応募があり、力強さや優しさを感じさせる多彩な作品が寄せられた。似顔絵部門には55人88点の応募があった。

 画家で日本漫画家協会員の和田恵秀さんが今回から新たに審査委員長を務め、福島民友新聞で4こま漫画「ももちゃん」を連載する漫画家のおだれいこさん、日本漫画家協会東北ブロック長の一ノ瀬善正さん、小野広司福島民友新聞社編集局長が審査委員を務めた。

 和田さんは総評で「応募作品が335点と多く力作ぞろいだった。アイデア、画力、ユーモアに大いに刺激を受け、次の年がさらに楽しみになりました」とした。入賞作品は来年1月3日付の紙面に掲載される。

 コミカルに三猿描く

 新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり」をきっかけに筆を執り、初めての応募で大賞に輝いた。「アイデアとイラストがはまり、描き上げた瞬間に完璧な出来栄えだと思った」と、手応え通りの受賞に胸を張る。

 子どもの頃からマンガが大好きで、特に赤塚不二夫さんの作品にのめり込んだ。自然とイラストを描くようになり、「授業中に落書きをしているような、典型的なマンガ少年だった」という。高校時代は美術部だったが、以降は本格的に絵を描くことはなく、年に1回、年賀状にイラストを描いて楽しんでいた。

 今年、新型コロナの感染拡大で外出が減ると、時間を持て余すように。「似顔絵でも描いてみるか」と軽い気持ちでイラストを描き始めた。芸能人や政治家、自画像―。描いてみると、「意外とうまいじゃん」。良い出来にうれしくなり、目に留まった民友マンガ大賞への応募を決めた。

 テーマは「マスク」。考えているうちに、口を手でふさいだ「三猿」が思い浮かんだ。「動きがある絵は苦手だが、顔を描くのは得意」というように、アイデアがひらめいてからは早かった。「ポスターのようにインパクトがあって、分かりやすく」。マスクで目、耳、口をふさいだコミカルな表情の「新・三猿」が、1時間足らずで誕生した。

 イラストは得意だが、デッサンや動きのある描写は苦手だ。定年退職後に時間ができたら苦手克服にも挑戦するつもりだ。「昔から、絵を描いている時だけは時間を忘れてしまう。時間を見つけて描き続けたい」