酒場詩人・吉田類さん...「福島が幻のトップ」 全国新酒鑑評会

 

 県産日本酒の魅力をPRする「ふくしまの酒マイスター」を務める酒場詩人吉田類さん(70)は23日、福島民友新聞社の取材に対し、全国新酒鑑評会で本県の33銘柄が入賞したことについて「福島の酒蔵の技術は高く素晴らしい」と述べた。金賞発表がなく金賞銘柄数の日本一の記録更新は持ち越しとなったが「福島の幻のトップといえる」と分析し「福島の酒のうまさは舌が覚えている。今夜も福島の酒で乾杯だ」と太鼓判を押した。

 感染症拡大で"酒場放浪"は控えている。過去に重い肺炎を患った経験があり、ツイッターで全国の左党に夜の外出自粛を呼び掛けた。「感染を広げないことが大事」。3月から都内の自宅にこもり、飲み歩きの思い出を肴に全国の酒を味わっている。「外出自粛は自身を見つめ直すチャンス。不自由さを感じるのは器が小さいから。もっと愛情を持とうと考えるようになった」

 赤ちょうちんが恋しい気持ちを抑えるため「オンライン飲み会」を始め、画面を通じて全国の酒好きと交流している。ただ、酒量が増えてしまうこともしばしば。「酒量制限は断酒よりも難しい。酒を飲むことをやめる時間を決めるようにした」という。出演中の人気番組「吉田類の酒場放浪記」(BS―TBS)はロケを見合わせているが、25日の放送では"家飲み"の様子を放送するという。

 外出自粛を経験し「大衆酒場という癒やしの場所がいかに必要であるかを痛感した」と振り返る。そして、感染症の収束後、お世話になった全国の酒場や酒蔵に感謝を伝えたいと考えるようになった。「もちろん福島も訪ね、おいしい日本酒を味わうんだ」と福島での酒場放浪を待ちわびている。