「金賞、いい区切りに」 新酒鑑評会、古殿・豊国酒造の矢内さん喜ぶ

 
「例年にない手応えがあった」と話す矢内さん

 2020酒造年度(20年7月~21年6月)に製造された日本酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会で、豊国酒造(古殿町)の「東豊国」が、4回連続13度目の金賞に輝いた。今年は東日本大震災、そして同酒蔵の日本酒「一歩己(いぶき)」の誕生から10年の節目。9代目蔵元の矢内賢征さん(35)は「いい区切りになった。次の10年も頑張ろうと思う」と喜んだ。

 今年は県春季鑑評会吟醸酒の部で最高賞の知事賞を受賞、蔵元が集まる勉強会でも評価が高く「例年にない手応えがあった」(矢内さん)。欠点がなく、バランスの良い仕上がりになったという。

 醸造責任者となって7年目の矢内さん。自身の技術力の向上は感じるが「ほかの酒蔵も良くなっている。『置いていかれないように』と気を緩められない」と感じている。

 そんな中で、21日に届いた朗報。「ほっとした。(新型コロナウイルスで)苦しい状況だが、良いものを造れているのだと自負できる」と語る。

 新型コロナの影響で日本酒の消費量が落ち込むなど、業界にとって厳しい情勢が続く中での受賞となった。矢内さんは「モチベーションが上がる。ぜひ皆さんに飲んでもらいたい」と呼び掛けた。