日本酒好み「見える化」 若年層は「甘口」年齢重ね「辛口」に

 

 首都圏の日本酒消費者は若年層が「甘口」、中高年層が「辛口」を好む傾向にあることが10日、東邦銀行と日本政策投資銀行が発表した調査で分かった。性別や年齢によって味の好みや購入する上で重視するポイントにばらつきがあり、県産酒の販売拡大に向けてはターゲットに合わせた戦略が重要となる。

 20~40代女性や30代男性は「フルーティー」、男女とも年代が上がるにつれて「辛口」を好むことが浮かび上がった。主に飲む場所は20代女性を除き自宅の割合が高く、購入の重視点は味や価格、種類・製法を挙げる回答が目立った。

 一方、各都道府県の主要な銘柄の認知度は新潟や京都、兵庫が80%前後、宮城と山形が40%台だったのに対し、本県は最高でも18%にとどまった。本県は中小規模の酒蔵が多く、流通量が少ないため、首都圏での知名度不足が課題となる。

 日本酒を選ぶ際に影響を与える品評会やアワードについては、7割超が「特になし」と回答した。本県は全国新酒鑑評会の金賞銘柄数が8回連続の「日本一」に輝いたが、受賞以外での販売戦略も求められる。

 大手の総合酒卸売事業者からは県産酒について「有名銘柄もあるが飲む機会が少なく、味が知られていない」「魅力を発信し、家庭での消費を獲得する必要がある」などの指摘があった。

 両行は県産酒が持つ共通の強みを生かしたブランドイメージの醸成や、ターゲットを意識した販路、ラベル、価格の設定などを提言している。今後、各蔵元の経営サポートを目指す。

 調査は昨年12月、首都圏に住む20歳以上の男女を対象にインターネットのアンケートで行われ、計2070人から回答を得た。