酒の好み「見える化」 居住地ほかデータ化、若松・シンク開発へ

 

 ソフトウエア開発などを手掛けるシンク(会津若松市)は、酒の好みに関するデータを出身地や居住地、年代別に集計して「見える化」するシステムの開発に乗り出した。データを地元の酒造会社や自治体に活用してもらい、商品の開発やPRにつなげることで「酒どころ福島」の魅力向上に貢献したい考えだ。

 同社事業管理本部の芳賀康博本部長(48)は「データを活用することで、酒蔵が特定の年代、地域をターゲットにした酒を仕込んだり、販売促進イベントで開催地の好みに合わせた酒を多く用意したりするなどの"攻めの運営"が可能になる」と期待する。

 データ収集には同社が開発した専用のスマートフォンアプリと、自動で日本酒を注ぐ装置「のまっせ」を使用。アプリで出身地、居住地、年代、性別などの属性情報を入力するとQRコードが発行され、QRコードを装置にかざすことで選んだ日本酒が注がれる。QRコードの情報を基に、どのような属性の人がどの酒を選んだかデータを集める。

 同社は3月25日から今月3日まで通信大手KDDI(東京)など4社と連携し、東京都でシステムの実証実験を行っている。末廣酒造(会津若松市)の協力で山廃と純米吟醸を用意した。実験開始から3日間のデータを分析したところ、50代はほぼ同数だが、40代では純米吟醸の方が好まれるといった傾向がみられているという。

 アプリの利用者向けには、飲んだ日本酒を記録するサービス「御酒飲帳(ごしゅいんちょう)」の提供を目指している。記録を活用し、飲みたい酒をインターネットで注文したり、好みに合う酒を薦めたりする機能を搭載する予定という。