交差点「止まれ」...スマホで音声案内 福島県警、4市11カ所に設置
福島県警は本年度、信号機の表示をスマートフォンを通じて音声で知らせるシステムを導入する。「高度化PICS(ピクス)」と呼ばれる仕組みで、福島、郡山、いわき、会津若松の4市にある交差点計11カ所に設置する予定だ。視覚障害者や高齢者らを中心に誰もが安全に交差点を歩行できるシステムとして注目を集めている。
県警によると、信号機に付けた通信装置から、スマホに赤や青など信号の情報が届き、音声で知らせる。使用するには専用のアプリ「信GO!」をスマホにダウンロードする必要がある。警察庁によると、全国32都道府県(昨年7月10日現在)ですでに導入されている。県警は本年度予算として約3500万円を計上した。
全国で最多となる123カ所(昨年7月10日現在)に設置している宮城県警によると、利用者から「分かりやすい」「振動でも知らせてくれるので分かりやすい」「携帯だけなのでかさばらない」などの声が寄せられているという。
福島県警は「ピヨピヨ」などと音が鳴る音響式信号機を県内各地に設置しているが、音の問題で地域住民に配慮し、深夜や早朝は運用していないことから、音響信号機を補う役割も期待している。
幼少期に失明したという県点字図書館職員の松野鉄馬さん(21)は「一人での歩行に慣れていない人には、安全を補完してくれるシステムでありがたい」と話した。同館の金子久雄館長(66)は「歩行者の安心にもつながるのではないか」と期待した。
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