処理水5回目放出、19日から 福島第1原発

 

 東京電力は17日、福島第1原発で発生する処理水の本年度初めてとなる海洋放出を19日に始めると発表した。昨年8月の放出開始以来5回目。5月7日までに約7800トンを放出する。

 東電によると、放出予定の処理水に含まれる放射性物質を分析し、国や東電が定めた基準を満たしていることを確認した。トリチウム濃度は1リットル当たり19万ベクレルで、基準値の同100万ベクレルを下回った。

 東電は本年度、7回に分けて計約5万4600トンの処理水の放出を計画している。処理水に含まれるトリチウムの総量は約14兆ベクレルと見込んでおり、年間の上限とする22兆ベクレルを下回る。

 処理水は大量の海水で薄め、国が定める基準値の40分の1となる1リットル当たり1500ベクレル未満とした上で放出される。第1原発の半径3キロ圏内の10カ所で行っている海域モニタリング(監視)の回数は前回と同様とし、放出中と放出終了日から1週間は放出口付近の4カ所で毎日続ける。残る6カ所では週2回実施する。

 処理水の海洋放出は昨年8月24日に始まった。昨年度は4回に分けて計約3万1145トンを放出し、周辺の海水に含まれるトリチウム濃度に異常はなかった。