来年リーグ戦創設、ファン獲得目指す 福島Uがスポーツ事業本格化

 

 サッカーJ3の福島ユナイテッドFCの運営会社AC福島ユナイテッドは新体制の発足を受け、地域との関わりを増やすためのスポーツ事業を本格化させる。来年、年齢や性別に関係なく参加できる8人制サッカーのリーグ戦「Uリーグ(仮称)」を福島市で創設する方針で、クラブと地域の関係をより強固にし、地域のにぎわい創出やファンの獲得につなげる考えだ。

 小山淳代表取締役CEO(最高経営責任者)が26日の株主総会で計画案を示した。Uリーグの詳細は今後詰めるが、JR福島駅周辺の小中学校のグラウンドを活用し、8人制の試合を月1回程度行うと想定している。スポンサー企業やファンら約40チームの参加を見込む。社員や福島の選手、スタッフも加わる計画だ。

 株主総会後に取材に応じた小山氏は「スタジアム以外でクラブに関わる人が集う場所がなかった。585社に及ぶスポンサーがいることはクラブの強みであり、サポーターを含めた横のつながりをより強固にしたい」と狙いを説明。「試合後には駅前の飲食店で参加者同士が交流を深めてもらうなど、街中に人を呼び込みたい」と展望を語った。

 同社は今月、国内外でサッカークラブの経営を手がけるスポーツX(京都市)社長の小山氏らを役員に迎えた。スポーツXからは現在、クラブ運営に社員約20人を投入しているという。さらに人員を拡大し、スタッフは40~50人規模となる見込みだ。小山氏は、福島市新町にあるクラブの「街なか事務所」のスペースを拡大し、地域との連携を強めていく方針も示した。

 3期連続赤字

 AC福島ユナイテッドの株主総会では、純損失が9500万円(前期純損失は2500万円)となり、3期連続赤字となった2023年2月~24年1月期決算を承認した。スポンサー収入は過去最高の2億6100万円となった一方、ユニホームスポンサー2社分が契約締結に至らず、入場料収入も伸びなかったことが要因。売上高は4億200万円(前期比2900万円減)。協賛企業数は585社で過去最高を記録した。

 ホーム戦のナイター開催の増加や成績低迷により、平均入場者数はJリーグ最下位の1229人(前年比236人減)だった。同社は経営基盤を強化し、26年度決算での黒字化を目指す。