松本候補「継続」、鈴木候補「刷新」 楢葉町長選・終盤の情勢

 

 任期満了に伴う楢葉町長選は17日の投票へ終盤戦に入り、現職で再選を目指す松本幸英候補(55)と、元副町長で新人の鈴木伸一候補(65)が支持拡大を狙い、しのぎを削る。原発事故による避難指示は昨年9月に解除されたが、町に戻った住民は1割にも満たず、両候補は避難者がまとまっているいわき市の仮設住宅を中心に、町内や会津美里町の仮設住宅も巡り、手探りで支持獲得に奔走している。

 松本候補は、住宅やコミュニティーの再建などの新たなまちづくり、農業再生への取り組みが動きだしたとして「復興を止めてはならない」と強調。国や県との連携を強め、復興予算を確保した交渉力を挙げ、町政の継続による復興の加速化を訴える。町議12人のうち9人が支持に回り、実績の浸透を進める。

 松本陣営の青木基選対本部長は「実績を前面に打ち出し、切れ目のない復興の必要性を訴える」と話す。

 鈴木候補は、現在の町政運営を巡り方針決定が拙速だと批判し「住民の意見を反映させる」と町政刷新を主張。賠償を含む相談体制の拡充や、町内での小、中学校再開後もいわき市の仮設校舎を維持することを掲げる。引退した前町長、前回の町長選で松本候補と争ったライバルを取り込み、支持を広げる。

 鈴木陣営の松本慶一選対本部長は「草の根で政策や人柄を訴え、一票一票を着実に掘り起こす」と語る。

 両陣営は、投票率が伸び悩み、前回の78.21%を下回ると予想している。