白河市長選・4選の鈴木和夫氏に聞く 「より住みやすい街に」

 
「さらに住みやすい街を目指す」と4期目への意欲を語る鈴木氏

 7日投開票の白河市長選で4選を果たした鈴木和夫氏(69)は福島民友新聞社のインタビューに答え、人材育成や歴史と文化を生かしたまちづくり、産業振興などに引き続き取り組む意欲を示した。(聞き手・執行役員編集局長 小野広司)

 ―3期12年の総括と4期目への抱負を。

 「当初は1市3村が合併して2年もたたない時期で、一体感が足りなかった。まずはその基礎的な条件を整える必要があった。財政健全化、産業振興などに加え、歴史と文化を生かしたまちづくりを形にするため市立図書館、白河文化交流館コミネスなどを整備した。特に文化は、生活に潤いを与えるという意味で大きな柱に据えてきた。子育て、教育、高齢者福祉を含め、今後の人口減少の時代にどう適応していくかが問われる新しいステージを迎えている。新人のつもりで4期目を全うしたい」

 ―4期目の最優先事項は。

 「市内を南北に縦断する国道294号バイパスなど社会インフラの整備、企業振興などはもちろんだが、さらに住みやすい街を目指したい。住みやすさには、雇用の確保だけでなく、文化や人との関わりが大切だ。地域コミュニティーについては、昔の人間関係とは違った、新たな整備が必要だ。少子化問題も金銭的な支援だけでは解決せず、キーワードになる『女性』と『若者』がどうしたら古里に戻ってくるのかをしっかり考えていきたい」

 ―北関東との接点として思い切った広域連携について、どのような青写真を描いているのか。

 「県単位の行政はもちろんだが、東西しらかわ、岩瀬郡、石川郡とともに北関東との連携が必要になる。各地域の特色を組み合わせ、広域連携を組むのが当たり前の時代になってきている。『奥の細道』で関係の深い栃木県大田原市とは文化協定を結んだ。大田原市の那須野が原ハーモニーホールとコミネスで提携するなどして文化交流も図りたい。白河には関東の息吹も入ってきている。白河を北関東と見る企業関係者も多く、これを生かさない手はない」

 ―東京五輪を控え、関東隣接の利点を生かしインバウンド(訪日外国人旅行)誘客をどのように図るか。

 「インバウンドで東北は遅れており、本県は原発事故の風評の問題もある。白河には小峰城や南湖公園、白河の関など、足元に素晴らしい観光資源がある。外部から資源を持ってくるのではなく、引き続き地元の資源を磨いて、生かしていくべきだと考えている」

 ―そのためにも、次の時代を担う若い世代の育成が大事だ。

 「感性が豊かで総合的な人間力が大切で、そういった子どもを育てていきたい。私たちでは解決できないことは、次の時代の人たちが必ず解決していく。また、課題を解決する力はもちろんだが、今後は課題を見つける力が大切だ。恵まれた文化と土地を、次の世代にうまくバトンタッチしなければならない」