【福島県議選・最終盤の情勢】須賀川など投票率の低下を懸念

 

 【須賀川市・岩瀬郡】8年ぶりの選挙戦は現職2、新人4の計6人が3議席を争う激戦となった。「ただでさえ厳しい戦い」と口をそろえる各陣営は、台風19号の影響などによる投票率の低下を懸念。2011(平成23)年の47.80%を下回る40~45%程度と見込んでいる。

 自民新人の渡辺康平と水野透は党組織の引き締めと浮動票の取り込みに奔走、しのぎを削る。渡辺は旧須賀川市内を中心に集会や遊説を重ね、元自衛官の経験を生かした防災、減災政策などを訴え票固めを図る。元市職員の水野は行政手腕を強調。地元の市東部を固めつつ、岩瀬、長沼の両地区や鏡石町での浸透を急ぐ。

 国民の現職宗方保は須賀川市街地から支持を拡大。加えて鏡石町議や天栄村議の応援を受け、票の上積みを狙う。無所属の現職川田昌成は地盤の旧岩瀬村から全域で遊説。国とのパイプをアピールし、無党派層の取り込みを図る。

 唯一の女性候補、共産の新人丸本由美子は現県政への批判票や浮動票の確保に注力。党組織票への上積みにも躍起だ。無所属の新人吉田孝司は、現役医師の立場から医療、福祉、介護の充実を訴え、地元鏡石町から支持拡大を狙う。

 【白河市・西白河郡】定数3に対し、自民の満山喜一、渡辺義信、無所属の三村博隆の現職3人と、無所属の新人金山屯の計4人が立候補。投票率の低下が懸念される中、票の上積み、支持拡大に奔走する。

 満山は旧白河市内、同市大信地域に加え、各市町村の党支部と連携しながら広く浸透を図り、台風19号の被災地域では水害対策などを訴える。

 渡辺は地盤の白河市東地区を軸に選挙区を満遍なく回る。有権者個人に重きを置き、産業振興や人材育成などを柱とした政策を訴える。

 昨年の補選で無投票当選を果たした三村は今回が初の選挙戦。地元矢吹町の票固めを進めながら、選挙区内でくまなく演説などを展開する。

 金山は集客力を見込む選挙区内の商業施設周辺での街頭演説に注力している。県庁の郡山市移転や、首都圏との人材交流などを呼び掛ける。

 【石川郡】無所属の現職円谷健市に自民の大野峯、無所属の野崎正夫の新人2人が挑む構図。3人で1議席を争う激戦となっている。各陣営は台風19号の影響による投票率の低下を懸念しながら、当選ラインを1万票前後と予想。4年前に勝敗を分けた票田・石川町の票の行方を注視する。

 元古殿町議の野崎は組織に頼らない草の根の戦いで支持拡大を図る。石川地方といわき市を結ぶ高速道整備などの政策を訴える。

 円谷は衆院議員後援会を軸に戦い、推薦を受ける団体の組織票を固める。県政とのパイプを強調し地元石川町を中心に浸透を図る。

 元石川町議会議長の大野は党組織や各地に設立した自身の後援会を活用。町内を中心に支持を訴え、議席獲得を狙う。