【福島県議選・最終盤の情勢】福島市、熱を帯びる集票合戦

 

 10日に投開票が行われる第19回県議選は最終盤に突入し、選挙戦となった10選挙区では、議席を争う立候補者60人が舌戦を繰り広げている。甚大な被害をもたらした台風19号などの影響で投票率の低下が懸念される中、各選挙区の情勢を探った。(敬称略)

 【福島市】8議席を争う県都決戦には、自民、国民民主、共産、公明、立憲民主、社民6党から現職8人、新人2人の計10人が立候補。党や後援会、企業、団体を核とした組織戦が展開される一方、一部では他候補の地盤で票獲得を狙う動きもあるなど、集票合戦は熱を帯びる。

 多くの陣営が有権者の関心は低調とみて投票率は4年前の45.44%と同程度か下回ると予測、期日前投票などを呼び掛ける。ある陣営からは「頭一つ抜け出た候補者がいる一方、当落線上は混戦模様」との声も聞かれ、浮動票の獲得も今後の鍵となりそうだ。

 最大会派の自民は現職3人、新人2人を公認。新人の誉田憲孝は市北東部の地盤を固めながら市議時代の経験を生かして支持拡大を狙う。現職の佐藤雅裕は平野地区など議員活動で築いた支持団体を軸に支援を訴える。西山尚利は市西部の地盤を軸に、徹底した組織戦や連日の個人演説会などで票上積みを図る。丹治智幸は地元の市南部を密に歩きつつ、1日20回程度の街頭演説で対話を重ねる。新人の渡辺哲也は元職の地盤・市北部などで票固めを図り、新聞記者時代の人脈も生かして知名度向上を狙う。

 第2会派「県民連合」所属の現職は3人が立候補した。国民民主の大場秀樹は市議らの応援を受けながら遊説し、幅広く支持を呼び掛ける。立憲民主の高橋秀樹は市東部で集中的に遊説しつつ、連合福島や労働組合などへの働き掛けを強める。社民の紺野長人は自治労や医療介護の職場、地盤の市北西部などを中心に支持を訴える。

 共産現職の宮本しづえは党組織票を固め、市内全域への遊説などを通して反自民票の獲得を目指す。

 公明現職の伊藤達也は地盤の森合、清水、御山、北沢又を軸に地元市議と連携を強化して集票を図る。