国見町長に引地氏 新人対決制し初当選、投票率過去最低73.18%

 
初当選を果たし、万歳する引地氏(中央)。右は妻わか子さん

 任期満了に伴う国見町長選は8日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で前町総務課長の引地真氏(60)が、いずれも無所属新人で元町議の佐藤孝氏(65)、元町議の松浦和子氏(71)、会社経営の高橋翔氏(32)の3人を破り、初当選した。任期は27日から4年。

 新人4人による12年ぶりの選挙戦となった。引地氏は、行政経験を訴えたほか、医療の充実やセーフティーネットの拡充、産業の活性化を公約に掲げ、幅広く支持を集めた。

 投票率は73.18%で、選挙戦となった前回2008(平成20)年を6.04ポイント下回り、過去最低となった。当日有権者数は7770人(男性3729人、女性4041人)。

 街頭演説で支持広げる

 現職の退任表明を受け、新人4人による12年ぶりの選挙戦となった国見町長選。有権者は、豊富な行政経験がある前町総務課長の引地真氏を新たなかじ取り役に選んだ。

 引地氏は、ともに元町議の佐藤孝氏と松浦和子氏の後に立候補を表明した。序盤は知名度で2人に及ばなかったが、有志による草の根運動と、積極的な街頭演説で農村部から支持を広げていった。

 佐藤氏と松浦氏はそれぞれ党派を超えた後援組織をつくり、組織的に運動したが、引地氏の勢いに押し返された。会社経営の高橋翔氏はインターネットを駆使して挑んだが、浸透しなかった。

 少子高齢化、人口減少など課題が山積する中の町長選だったが、投票率は過去最低を更新した。有権者の関心の低さは、町政への期待値と表裏一体だ。新町長には、町民の関心を高めるような町政運営が求められる。

国見町長選開票結果(選管最終、敬称略)
当2,398 引地 真  60 無新
 1,719 松浦 和子 71 無新
 1,478 佐藤 孝  65 無新
    40 高橋 翔  32 無新