福島県知事選30日投開票 現新両陣営、遊説追い込み

 

 任期満了に伴う第22回知事選は30日、投票が行われ、即日開票される。いずれも無所属で、現職の内堀雅雄候補(58)=2期、福島市=と新人の郡山地方労連副議長草野芳明候補(66)=共産推薦、須賀川市=の2人が13日の告示から、現県政の評価や復興施策などを争点に論戦を繰り広げてきた。選挙戦最終日の29日は両陣営とも市部を中心に遊説、公約の浸透に加え、有権者の関心アップも図りながら選挙戦を締めくくる。

 自民、県民連合、公明の各会派に加え、農業や商工など各団体の支援を受ける内堀候補は告示後、県内を2巡。コロナ禍を踏まえ個人演説会は1回にとどめ、各地で街頭演説を重ねた。計98回にわたる街頭演説では旧市町村単位の細かな地域課題を挙げ、現場主義を継続して課題解決に尽くしていく姿勢を強調してきた。

 最終日は会津若松、郡山、福島など各市を中心に遊説し、若い世代への支持拡大や浮動票の取り込みを狙う。午後7時40分から福島市中心部のさんかく広場で遊説の打ち上げ式を行い、99回目となる街頭演説で最後の訴えをする。

 県労連や共産党県委員会などでつくる「みんなで新しい県政をつくる会」が擁立した草野候補は、東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針に反対する姿勢を明確にし、広域遮水壁設置や陸上タンクでの保管継続などの対策を訴えることで現県政への批判票の取り込みや無党派層への浸透を図ってきた。元高校教諭として教育分野への支援も掲げ、若年層をはじめ幅広く支持を訴える。

 29日は支援する参院議員らが遊説する。福島市から二本松、本宮両市へと選挙カーを南下させ、午後7時40分からJR郡山駅西口で打ち上げ式を行う。

 12日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)は156万1993人(男性76万3472人、女性79万8521人)。

 草野候補がコロナ感染

 知事選に立候補している草野芳明候補の選対本部は28日、草野候補が新型コロナウイルスに感染したと発表した。草野候補は自宅療養中で、選挙戦最終日の29日は選挙カーに乗車せず代理の弁士が支持を訴える。

 選対本部によると、草野候補は28日午前、伊達市を遊説中に立ち寄った休憩場所で38度の発熱が判明。福島市の病院で検査したところ、感染が確認された。選挙スタッフら濃厚接触者も自宅療養している。

立候補者