古殿町長選、岡部光徳氏が6選 新人・高橋翔氏に大差で勝利

 
6選を果たし万歳する岡部氏(中央)。右は妻啓子さん

 第20回統一地方選後半戦で、任期満了に伴う古殿町長選は23日、投票が行われ、即日開票の結果、古殿町長選は現職岡部光徳氏(64)=無所属、5期=が6選を飾り、新人を退けた。

 16年ぶりの選挙戦となった古殿町長選は岡部氏が2532票を獲得し、新人の会社経営高橋翔氏(35)=諸派=に大差をつけて6選を果たした。任期は5月1日から4年。

 岡部氏は争点の人口減少問題を巡り、新規就労者や農林業の後継者確保に向けた支援や子育て支援の拡充を主張。5期20年の実績を強調し支持を広げた。投票率は71.14%で、07年を20.41ポイント下回った。当日有権者数は4099人(男性2050人、女性2049人)。

 当選者に対する当選証書付与式は24日午前10時から、各町村役場などで行われる。

古殿町長選開票結果(選管最終、敬称略)
当2,532 岡部光徳(おかべ みつのり) 64 無現
311    高橋翔(たかはし しょう) 35 諸新

 豊富な政治経験支持

 【戦いの跡】16年ぶりの選挙戦となった古殿町長選は、町民が5期20年の豊富な政治経験を持つ現職の岡部光徳氏に再びかじ取りを託した。

 岡部氏は昨年の12月議会で「町政運営の道筋を付けなければならない」と出馬を表明。選挙戦では山間部に点在する集落も地道に巡り、支持拡大を図った。

 政策としては、第3子以降が生まれた家庭に50万円を支給する支援策など、子育て環境や福祉の充実に重点を置いた施策を掲げた。また、町の基幹産業である農林業の後継者確保に関する支援拡充や道の駅の充実も打ち出した。

 高橋翔氏は現職の多選を課題に挙げて立候補した。宇宙産業の構築や若年層の支援を掲げ、動画投稿サイトなどで考えを発信したが、浸透し切れなかった。

 町は人口減少に加え、町営住宅の老朽化など生活に直結した課題を抱える。住民が安心して健康に暮らせる町づくりに向けて、真価が問われる6期目となる。(石川支局・秋山敬祐)