三春町長に現職・坂本浩之氏 無投票再選、地域防災力の強化へ

 
再選を果たし、万歳する坂本氏(右)と妻玲子さん

 任期満了に伴う三春町長選は5日告示され、無所属で現職の坂本浩之氏(67)=1期=のほかに立候補の届け出はなく、坂本氏が無投票で再選を果たした。無投票となるのは2011年以来、12年ぶり。

 坂本氏は「みんなで進めるまちづくり」を掲げ、子育て環境の整備や地域防災力の強化を図るほか、アウトドア環境の整備などを通した観光推進にも取り組む考えだ。

 当選証書付与式は11日午後1時から、町役場で行われる。任期は21日から4年。

 新たな観光策で実績

 【無投票の軌跡】12年ぶりに無投票となった三春町長選は、有権者が現職の坂本浩之氏(67)の豊富な行政経験に基づく堅実な町政運営を評価し、再び町のかじ取り役を託した。

 坂本氏は6月、再選出馬を町議会で表明。当初から対抗馬を擁立する動きは見られず、東日本台風や新型コロナウイルスへの対応で危機管理を担った1期目の実績が信任を得た形だ。

 坂本氏は三春滝桜を核としてきた観光振興策に、アウトドア用品大手モンベル(大阪市)と提携して通年の野外活動を目玉に据えることで新風を吹き込んだ。

 2期目は野外活動の拠点と子育て支援策の認定こども園が整備される計画で、成果が注目される。課題の人口減少と少子高齢化を乗り越え、災害に強い自立した地域づくりを実現できるか、坂本氏の手腕が問われる。(田村支局・坂本龍之)