湯川村長に新人・佐野盛至氏 現職を77票差で破り初当選

 
万歳三唱して初当選を喜ぶ佐野氏(左)。右は妻節子さん

 任期満了に伴う湯川村長選は22日、投開票が行われ、即日開票の結果、ともに無所属で、新人の元村議会副議長の佐野盛至氏(66)が1022票を獲得して現職の三沢豊隆氏(73)=2期=を77票差で破り、初当選を果たした。任期は11月9日から4年。

 佐野氏は村政刷新を強調する一方、子育て支援策として学校給食費と保育料の無償化や小学校統合の検討などを訴え、支持を集めた。

 投票率は80.23%で、2019年の前回を1.05ポイント下回った。当日有権者数は2479人(男性1164人、女性1315人)。

 当選証書付与式は23日、村役場で行われる。

湯川村長選開票結果(選管最終、敬称略)
当1,022 佐野盛至 66 無新
   945 三沢豊隆 73 無現

 村政刷新を訴え雪辱

 【戦いの跡】元村議会副議長が現職に挑む構図で4年前の前回と同じ顔ぶれにより争われた湯川村長選は、新人の佐野盛至氏が有権者の支持を積み重ね、雪辱を果たした。

 佐野氏は村政刷新を望む有権者の受け皿となる戦略を徹底。前回から4年間かけて集めた村民の声を踏まえ、児童数減少に伴う小学校の統合検討や、学校給食費と保育料の無償化の早期実現などを打ち出した。後援会組織に新たに女性有志からの支援を取り込み、支持層の拡大に結び付けた。

 現職の三沢豊隆氏は2度の選挙戦で培った後援会組織を中心に浸透を図り、湯川米の生産効率化による農業活性化などを訴えたが、村政の閉塞(へいそく)感払拭につなげることはできなかった。

 村は過疎地域の指定から外れたことに伴い、ふるさと納税の上積みによる自主財源の確保などが課題だ。自身が掲げた村政の「生まれ変わり」に向け、新たなかじ取りとなる佐野氏は即戦力としての手腕が問われる。(坂下支局・鹿岡将司)