既成政党苦戦...求められた変化 福島県議選、無所属や若手躍進

新たな県議会を担う58人が決まった。自民が単独過半数を割り、立憲民主、共産両党も議席を減らす一方、若手や無所属の躍進が目立った。既成政党の苦戦は、県民生活を苦しめる物価高騰や止まらない人口減少など、停滞感が漂う社会に変化を求める有権者の思いが結果として表れたといえる。
公認、推薦合わせて33人を擁立した自民は改選前の31議席から2議席減らした。特に「与野党対決」となり注目された四つの1人区は1勝3敗と負け越す結果に。最大会派として全議席の半数は確保したが、党関係者からは岸田政権の支持率低下が影響したとの声も聞こえる。
ただ、ほかの既成政党も票の受け皿になったとはいえない。立民は福島市で現職の県連幹事長が落選、共産も1議席を失い交渉会派(5議席以上)の立場を失った。公明は4議席を守ったが、得票を減らすなど、いずれも勝利とは呼べない結果だった。
福島市と須賀川市・岩瀬郡で立民の30代と40代の新人が、会津若松市で無所属の元職がトップ当選し、いわき市では無所属の33歳がトップに肉薄した。1人区の石川郡、南会津郡でも無所属新人が当選を果たすなど、変化に期待する有権者の票が若手や無所属に向かった可能性もある。日本維新の会が初の議席を獲得し、れいわ新選組推薦の新人が誕生したのもその表れの一つだろう。議員には、改めて県民の期待に応えるよう手腕を発揮してほしい。
そして今回の選挙で残念だったのは過去最低を更新した投票率だ。立候補者数が過去最少となったことで論戦が盛り上がりに欠けたことは理由の一つだが、最も大きな要因は県政に対する有権者の関心が薄れていることだろう。県政への関心をどう高め、1票がどんな意味を持つのか。行政や政治家だけでなく、私たち報道機関も含めてさまざまな立場から考え、訴えていく必要がある。(報道部・白坂俊和)
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