「国権酒造」新たな挑戦!世界に自慢の酒 シンガポール販路開拓

全国新酒鑑評会で12年連続金賞を獲得している南会津町の国権酒造が、海外での販路開拓に挑んでいる。細井信浩社長(47)は1日、シンガポールで行われた「日本酒の日」の乾杯イベントに単身乗り込み、現地で自慢の酒を振る舞った。
イベントへの参加は9月上旬、知人の紹介で突然舞い込んだという。「人種もさまざまで富裕層も多い。面白い市場になる」。そんな思いが、細井社長に初めてのシンガポール行きを決意させた。
準備に追われる中で、思いがけない壁に直面した。空輸を依頼していた物流業者から、福島の品物は考えさせてほしい―と断られたという。震災後、香港などでは厳しい現実を目の当たりにしてきたが「まさか国内で...」。それでも、細井社長は輸送手段を模索。福島市の商社から岡山県の商社へと話がつながり、国権の酒は無事、シンガポールまで届けられた。「思いがけない人と人のつながりが今回の試みを成功させた」
イベントは五つ星ホテルで行われ、県内からは国権酒造が唯一参加。打診に関わったという現地の本県関係者からは「(福島に対する偏見など)何かあったら交渉する」と心強い言葉を受けたという。
多くの絆を感じながらイベントに参加した細井社長。「(国内の)日本酒の出荷量は年々減っている。地域の雇用を確保できるよう、海外に目を向けていきたい」。現地の文化や料理に合わせた日本酒の提案、開発など、世界で通用する酒造りに思いを巡らせている。
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