「全国鑑評会」入賞!二本松全出品酒 人気一、奥の松、千功成

 
地元スタッフによる初入賞を喜ぶ斎藤社長=檜物屋酒造店

 酒類総合研究所(広島県東広島市)が22日に発表した全国新酒鑑評会の審査結果では、二本松市から人気一(人気酒造)奥の松(東日本酒造協業組合)千功成(檜物屋酒造店)の3銘柄が入賞した。大七酒造は出品しておらず、出品した全蔵元の銘酒が入賞した。

 このうち檜物屋酒造店は「千功成大吟醸袋吊り」を出品し、東日本大震災と原発事故後に地元の蔵人だけで醸造するようになって初めて入賞した。斎藤一哉社長は「県ハイテクプラザの技術指導や、県内酒蔵との情報交換の成果を形にできた」と喜びを語った。

 同蔵元は元々、南部杜氏(とうじ)を招いて仕込みをしてきた。震災後は、杜氏の和田健一さんを中心に6人の従業員が仕込みに当たり、試行錯誤を繰り返し、工夫を凝らして酒造りを続けてきた。「酒造りの技術が認められ、社員一同の励みになる」と斎藤社長は話した。

 奥の松醸造元の東日本酒造協業組合で杜氏を務める殿川慶一理事は、昨年まで11年連続で県内最多17回の金賞を受賞していることから「金賞を取るために技術を結集し、例年に増していい酒ができた。決審もしてほしかった」と残念がる。しかし入賞して仕込み技術が再び評価されたことに「来年につなげることができた。これからも前向きに酒造りに精進する」と話した。

 人気酒造の遊佐勇人社長は入賞数が長野県とともに新潟県に次ぐ2位だったことを「予審だけだと新潟、長野は蔵の数が福島より多いので健闘したと思う。決審だけでなく一般公開も中止され、入賞率が分からないのが残念。でも大変な中、予審だけでもやってくれたことに感謝したい」とコメントしている。