東北清酒鑑評会、福島県産酒36点優等賞 受賞数秋田に次ぐ2位

 
初入賞に笑顔を見せる花泉酒造の星代表社員

 仙台国税局は12日、2020年の東北清酒鑑評会の結果を発表した。本県は吟醸酒の部で21点、純米酒の部で15点の36点が優等賞に輝き、県別の受賞数が秋田の37点に次ぎ2位だった。

 最優秀賞と次点の評価員特別賞の上位賞に、本県の酒蔵は選ばれなかった。両部門とも本県が上位賞を逃すのは2013(平成25)年の賞創設以来初めて。

 東北6県の酒蔵から吟醸酒の部に134製造場の221点、純米酒の部に122製造場の158点の出品があった。酒造技術の指導機関や酒蔵、仙台国税局の関係者らが10月に品質を評価し、吟醸酒の部で65点、純米酒の部で51点を優等賞に選出。優等賞の中から各部門の最優秀賞1点と評価員特別賞2点を決めた。

 表彰式は新型コロナウイルスの影響で行われない。

 創業100年、初出品初入賞

 【花泉酒造】純米酒の部に初出品し優等賞を獲得した花泉酒造(南会津町)の星誠代表社員(44)は「県内の酒蔵の仲間や県ハイテクプラザの先生の指導のおかげ」と万感の思いに浸った。

 同社は今年で創業100周年を迎え、全国でも珍しい「もち米四段仕込み」で知られる。審査会への出品は、自身の蔵の製法が受け入れられるか未知への挑戦だったという。

 星さんは「福島の酒造りの技術はもちろん、土地や水、コメの素晴らしさが証明された」と話した。

 貯蔵庫の修繕好結果に

 【喜多の華酒造場】純米酒の部で優等賞を受賞した喜多の華酒造場(喜多方市)は、2004(平成16)年以来の受賞となった。杜氏(とうじ)の星里英さん(36)は「結果に驚いている」と素直に喜ぶ。

 新型コロナウイルス感染拡大で営業が十分にできなかった分を酒蔵のメンテナンスに充てた。「貯蔵庫をできるところから修繕したことが良かったのかもしれない」と分析する。

 星さんは「酒造りには厳しい状況だが、逆手に取り新たな挑戦をしたい」と話した。