「会津のSAKE」高級銘柄にパリ注目 若松の企業と2蔵元開発

 
輸出を視野に入れて開発した高級日本酒。後方は満田社長

 会津地方の魅力づくりをサポートしている會津アクティベートアソシエーション(AAA、会津若松市)と、会津若松市の鶴乃江酒造、高橋庄作酒造店の両蔵元が協力し、輸出を視野に入れた高級日本酒「the aiz(ジ・アイズ)」を開発した。日本酒への関心が高く、需要も増加しているパリのレストランに採用されるなど注目が集まっており、AAAの満田善護社長は「会津の日本酒が世界に広がる突破口にしたい」と市場拡大に期待する。

 開発したのは、鶴乃江酒造が山田錦で仕込んだ純米大吟醸「AIZU CHUJOH(会津中将)」と高橋庄作酒造店が五百万石で仕込んだ純米吟醸「AIZU MUSUME(会津娘)」の2種類。いずれも両蔵元の銘柄名を冠している。

 パッケージも海外輸出や訪日外国人旅行用に特化しており、「プレミアム・ライス・ワイン」と呼ぶ。熟成したワインに合わせた考え方から一定期間熟成させた日本酒で、2019年4月に搾った後、低温熟成させ、丸みのある味わいに仕上げた。ラベルもワインをイメージさせるデザインで、ローマ字表記にこだわった。「AIZU CHUJOH」は加圧せず袋づりで搾った。価格はいずれも500ミリリットル入り1万6500円。

 「AIZU CHUJOH」を採用した現地のシェフは「香りが華やかでワインに近い味わい。料理を選ばず何にでも合わせられそうだ」と語り、ソムリエは「温度を変えて出すことで、より合わせやすくなるのではないか」と述べた。

 満田社長は「数量も少ない希少品で、あえて高めの価格設定にした」と話し、鶴乃江酒造の向井洋年統括部長は「味で評価してもらって初めて世界に通じると思う」と今後の展開に期待した。