宇宙酒へ「うつくしま夢酵母」出発式 5月にロケット打ち上げ

 
出発式に出席した有賀会長(前列右から3人目)、内堀知事(同4人目)、長谷川代表理事(同5人目)ら

 東日本大震災から10年の節目に「東北復興宇宙酒」を醸造する計画を立てる一般財団法人ワンアース(茨城県)と県酒造組合は5日、宇宙に打ち上げる本県のオリジナル酵母「うつくしま夢酵母」の出発式を福島市で行った。

 国際宇宙ステーション(ISS)から被災地の復興の姿を伝える事業「東北復興宇宙ミッション」の一環。酵母など福島、宮城、岩手の被災3県の自治体から集めた記念品を5月に商業用ロケットで打ち上げ、ISSに接続させる。約1カ月後、帰還した酵母を使って蔵元が日本酒を仕込む。23蔵元が参加を予定する。

 出発式では、有賀義裕会長と内堀雅雄知事がワンアースの長谷川洋一代表理事に酵母を手渡した。長谷川代表理事は「宇宙酒が全国の注目を浴び、被災地の明るい希望になれば」と語った。参加蔵元の代表も出席した。

 酵母はフリーズドライ化されているため、宇宙でも性質は大きく変わらないとみられているが、有賀会長は「宇宙に行ったような『ふわっとした』酔い心地になれる酒が造れるのでは」と期待している。