IWC純米吟醸酒の部「御湖鶴」最高賞 磐栄運送の酒造場が醸造

 
「トロフィー」受賞を喜ぶ村田会長(左)と竹内さん

 磐栄運送(いわき市)の諏訪御湖鶴(みこつる)酒造場(長野県下諏訪町)が醸造する「御湖鶴 純米吟醸 山恵錦」が、世界最大級のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2021」日本酒部門の純米吟醸酒の部で最高賞に当たる「トロフィー」に輝いた。

 磐栄運送は、2017(平成29)年に破産した下諏訪町にある酒蔵の設備などを買い取って「御湖鶴」を復活させ、福島、長野両県産米などを使って酒造りを行っている。

 今回の受賞酒は、長野県の酒造好適米「山恵錦」を使用し、フレッシュでフルーティーな味わいに仕上がった。うま味や酸味のバランスが取れ、肉料理やチーズなど味の濃い食べ物にも合うという。

 杜氏(とうじ)の竹内重彦さん(49)は「御湖鶴ブランドが再開して数年でここまで評価してもらえてうれしい。福島、長野両県の人々の思いが詰まった酒を飲んでみてほしい」と話した。

 19年には新しい蔵を建設し、酒造りの機械も一新した。発酵データを細かく管理するなど情報通信(ICT)の技術も取り入れ、徹底した品質管理につなげている。同社の村田裕之会長(61)は「今まで応援してくれた皆さんの期待に少し応えられたと思う」と喜びを語った。

 受賞酒は、県内のスーパー「一二三屋」、白河市のいせや君島商店で10日から販売される予定。価格は720ミリリットルで1760円。