地元コメで定番酒「磐城壽」 10年ぶり、浪江・鈴木酒造店

 
古里の浪江町で醸造した定番酒「磐城壽 大漁祝 紺碧」を発売した鈴木社長

 今春に古里で酒造りを再開した浪江町の鈴木酒造店は、同町の道の駅なみえの醸造施設で醸した初の定番酒「磐城壽(いわきことぶき) 大漁祝 紺碧(こんぺき)」を完成させ、20日に発売した。鈴木大介社長(48)は「この土地に合わせた酒が出来上がった。浪江の四季折々の食材や料理と一緒に楽しみ、浪江の1次産品を応援する酒になってほしい」と、地元とともに歩む酒に期待を込めた。

 新商品は浪江町産のコメ(コシヒカリ)、米こうじ、水を使った純米吟醸酒で、穏やかで優しくきれいな味わいに仕上げた。鈴木社長は「試しにアジのなめろうと合わせてみたら最高だった」と笑顔を見せた。

 ラベルも浪江のイメージにこだわり、大漁旗を模したデザインとし、阿武隈山地の山並みや泉田川を元気よく遡上(そじょう)するサケなどを登場させた。

 鈴木酒造店は江戸・天保年間の1840年ごろに浪江町請戸で酒造りを始めた。東日本大震災の津波で酒蔵が流失した後、避難先の山形県長井市で事業再開した。今年3月、浪江町の道の駅なみえの醸造施設を運営する形で震災から10年ぶりに古里で酒造りを再開した。

 価格は四合瓶が1650円、一升瓶が3300円。浪江町の道の駅なみえのほか、県内各地の取扱店で販売する。

 問い合わせは鈴木酒造店(電話0240・35・2337)へ。