地元米の酒シリーズ化、第1弾は「水を編む」 南相馬ハッコウバ

 
「田んぼシリーズ」第1弾の「水を編む―根本有機農園―」

 南相馬市小高区で独創的な酒造りに挑む酒蔵「haccoba(ハッコウバ)」は、「地酒」を目指した新シリーズの展開を始める。第1弾として、小高区の農家が生産したコメが原料の「水を編む―根本有機農園―」を発売した。

 ハッコウバは、コメにカカオの外皮や稲わらなど多様な素材を一緒に発酵させる製法で酒造りに取り組んでいる。これまでは「自由な酒づくり」を掲げてきたが、6日に発売された新商品はコメが主役。副原料に少量の唐花草を加えただけで、より「地酒」に近い逸品となっている。

 また、ハッコウバと交流のある詩人菅原敏さんが書き下ろした田んぼの詩をラベルに掲載した。酒を飲みながら、詩人の言葉を味わうことができる。

 新シリーズは「田んぼシリーズ」と銘打ち、6月にも第2弾として、同市鹿島区の農家のコメを主役にした酒を発売する予定という。

 埼玉県出身で同市に移住し、酒造りに挑む社長の佐藤太亮さんは「お世話になっている農家の方の、コメのピュアな味を伝えたい。地元の人たちに手に取ってもらえれば」と話している。

 500ミリリットル瓶1本2860円。酒蔵店頭のほか、セブン―イレブン南相馬小高店、発酵デパートメント(東京都世田谷区)でも順次販売。酒蔵の営業時間は午前10時~午後5時。月曜日定休。