レトロな2階建てで雑貨販売やフォトスタジオ 飯坂発信へ新店舗
「飯坂と共に歩む。飯坂でしかできないことに挑戦したい」。貸衣装やダンススタジオを営むSACHIKO(サチコ、福島市)社長に就任した河原田充さん(33)が同市の飯坂温泉に新たな拠点を設けた。レトロ感にあふれた2階建ての小さな店舗は1階で飯坂温泉関連の雑貨を販売、2階をフォトスタジオにした。大型連休中の本オープンを目指す。河原田さんはこの店舗から飯坂の魅力を発信し、地域に恩返しをしていく覚悟だ。
店の名前は「kokoro(ココロ)」で、街歩きのための貸衣装も扱う予定だ。観光文化交流施設「旧堀切邸」や飯坂温泉を代表する共同浴場「鯖湖(さばこ)湯」に近く、最も飯坂温泉らしい風情が感じられる場所にある。
河原田さんは、結婚式関係の仕事をする親に連れられ、幼い頃から飯坂温泉を訪れており、浴衣で歩く大勢の宿泊客や鳴り響く下駄の音、ショーに出演する外国人を見て「すごい所だ」と感じていたという。高校の友人との縁で「飯坂けんか祭り」にも参加した。社会人となり、南相馬市で再生可能エネルギー関係の仕事に就いたが、新型コロナウイルス禍で実家に戻った際、再び訪れた飯坂に以前とは違う寂しさを覚えた。
飯坂の発信に取り組むきっかけになったのは、福島市飯坂町東湯野の上岡遺跡から発掘された国指定重要文化財の「しゃがむ土偶」(愛称ぴ~ぐ~)だ。想像をかき立てる謎のポーズやモモ畑から出土した福島らしいエピソードに魅力を感じ、しゃがむ土偶のグッズ開発に着手した。自身が飼っていた黒いウサギをモチーフにした「FURO USAGI(風呂ウサギ)」グッズも新たに開発し、廃材をリサイクルし、木の香りが楽しめるキーホルダーへの反響が大きいという。
「飯坂に縁を感じているし、お世話になってきた」。飯坂のイベント会場にはことごとく出没し、観光関係者であれば今や誰もが知る「なくてはならない存在」だが、飯坂での新たな挑戦はまだ始まったばかりだ。
kokoroの住所は福島市飯坂町湯町18の4。営業時間は午前10時~午後6時。毎週火、水曜日は定休日。
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