「國権」吟醸酒5位、南部杜氏清酒鑑評会 福島県内から優等15点

 
「日々、工夫した成果」と入賞を喜ぶ国権酒造の佐藤吉宏さん

 南部杜氏(とうじ)協会(岩手県花巻市)は18日、2022酒造年度(22年7月~23年6月)の日本酒の出来栄えを競う南部杜氏自醸清酒鑑評会の審査結果を発表した。本県からは吟醸酒の部で国権酒造(南会津町)の「國権」が5位に入った。

 吟醸酒の部に111工場の283点、純米酒の部に116工場の313点の出品があり、高評価を得た優等酒の中から上位入賞酒を決定した。

 吟醸酒の部は森島酒造(茨城県日立市)の「富士大観」、純米酒の部は冨士酒造(山形県鶴岡市)の「栄光冨士」が1位に輝いた。本県の蔵元は吟醸酒の部で7点、純米酒の部で8点が優等酒に選ばれた。

 鑑評会は1911(明治44)年に始まり、今年で104回目。表彰式は5月24日に花巻市で行われる。


 国権酒造、こうじの力で香味調整

 吟醸酒の部で5位に入った国権酒造(南会津町)の杜氏の佐藤吉宏さん(71)は「日々、工夫しながらやってきた成果。歴史ある鑑評会で結果を出せて、名誉なこと」と喜びを語った。

 佐藤さんは杜氏になって約35年になり、同鑑評会では毎年のように上位入賞を果たしている。佐藤さんによると、酒造りではその年のコメの質によって毎年違った対応が必要になるが、今回はコメが硬めだったため、溶けやすくするためにこうじの力を強めたという。佐藤さんは「こうじの力を調整して、日本酒の香味バランスをうまく取ることができた」と手応えを語る。

 細井信浩社長(51)は「蔵人たちが力を合わせたことで、結果がついてきた。入賞できたことが、日本酒の需要が復活する勢いにつながればいい」と期待を口にした。

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