「オール本宮」のオリジナル日本酒完成 若手農業団と大天狗酒造

 
「なないろ」の完成を喜ぶ(左から)橋本さん、小針さん、佐原さん

 本宮市の20~50代の農家でつくる「本宮若手農業団」と同市の酒蔵「大天狗酒造」は、オリジナル日本酒「なないろ」を製造した。団長の橋本清徳さん(52)と佐原源士さん(42)が同市で酒米作りに取り組み、同酒造の杜氏小針沙織さん(35)と試行錯誤しながら自慢の逸品に仕上げた。橋本さんは「酒米作りから製造まで地元でまかなうことができた。地元の魅力を発信する商品になってほしい」と話した。

 農業団は2020年8月、若者の視点で農業を盛り上げると共に、農家の所得向上を目指して設立。水稲、果樹などの計15人が在籍しており、週末に販売会を開催するなど活動している。農業団が「『オール本宮』の日本酒を地元の仲間と造りたい」と同酒造に提案し、小針さんが応じたことで日本酒造りが始まった。

 酒米に選んだのは県オリジナル酒米「福乃香」で、安達地方で初めての作付けとなった。福乃香は標高が高くない土地に適しているとされており、本宮市の土地柄にあっていると考えた。

 橋本さんと佐原さんが、県北農林事務所安達農業普及所の指導を受けながら計40アールの田んぼで酒米を栽培。ほかの団員が田植えなどに協力した。橋本さんは「初挑戦の上、安達地方で初めて福乃香を栽培する『初めてづくし』だったが、問題もなく、いい仕上がりになった」と語る。

 収穫後、農業団のメンバーは小針さんの指導を受けながら、米洗いや仕込みなど酒造りの作業を手伝った。小針さんは「甘い香りがあるが、後味がスッキリして飲みやすい」と出来栄えを語った。

 活動の拠点である「みずいろ公園」や、七色に輝いてほしいとの思いなどにちなみ「なないろ」と名付けた。1瓶720ミリリットル(純米吟醸)で1870円。限定500本で大天狗酒造(電話0243・33・2017)で販売している。