飲みやすさが特徴 福島の自家焙煎珈琲じゃ豆 岡本さん

 
「リラックスしながらコーヒーを楽しんでほしい」と話す岡本さん

 店内に入ると心地よいジャズの音楽とコーヒー豆の香ばしい香りに包まれる。福島市鎌田の「自家焙煎珈琲 じゃ豆(ず)」の店主岡本幸弘さん(67)は18年間、厳選したコーヒーを提供し続けている。岡本さんは「リラックスしながらコーヒーを楽しんでほしい」と笑顔で話す。

 中学生の頃からコーヒーが好きで「大人びた物に憧れていた」と笑う。大学卒業後、会社務めを経て「白バイに乗れるなら」と県警に就職。交通畑を歩み交通機動隊や高速隊で県民の安全を守ってきた。県警音楽隊としても精力的に活動していたが「体力のあるうちに動こう」と49歳で退職し、2005年12月に開店した。

 店には岡本さんの妥協しない姿勢がぎっしり。布のフィルターを使うネルドリップでコーヒーを抽出している。「食べ物でコーヒーの香りを消したくない」とメニューの食べ物はスコーンのみ。開店当初から禁煙なのも「コーヒーの香りを楽しんでほしい」という思いがある。

 現在は約30種類のコーヒーをそろえる。看板メニューは、苦みと酸味のバランスが取れた飲みやすさが特徴の「じゃ豆ブレンド」。価格は開店当初から変わらない1杯500円で、多くの客に愛されている。

 スキーやトランペットなど趣味も豊富で、トランペットは店内で披露することもある。「警察もじゃ豆も好きなことを仕事にしてきた。体力の続く限りおいしいコーヒーを提供したい」と岡本さんはきょうも一杯一杯丁寧にコーヒーを注ぐ。

 住所は福島市鎌田字町55の10。営業時間は午前11時~午後5時。木、日曜日、第1、3、5水曜日は定休。問い合わせは同店(電話024・553・0157)へ。