「指しゃぶりいつやめさせる?」 乳歯そろう3歳までに

 

 乳幼児の指しゃぶりは生理的現象として成長に必要なものであります。しかし、いつまでも指しゃぶりをしている、指をしゃぶらないにしても爪をかむといった習癖(悪い癖)が残っていると歯並びに悪い影響を与えてしまうとも言われています。ではいつごろまでにやめさせるのが良いのでしょうか? 大体3歳くらいまでにやめることが良いとされます。3歳というと乳歯が全て生えそろい、やわらかい物からある程度固い物まで口にすることができます。

 指しゃぶりが上顎を刺激することにより成長を促すともありますが、乳歯が生えそろってからは食事をしっかり取り、よくかませることによりこの刺激を補ってくれます。しかも指しゃぶりの刺激の力は1方向にしかかかりませんが、よくかむということは口の中や周囲の筋肉にも満遍なく力を与えてくれます。この力がしっかりかかることにより、顎が成長し永久歯が生えるスペースを確保することになります。

 指しゃぶりをやめさせるには保護者の協力が必要となりますが、頭ごなしにやめるように指示するのは避けた方がよいと思います。習癖とは無意識のうちにやってしまうものです。どうして指しゃぶりがいけないことなのかと乳幼児は理解できませんので、強く意識付けができるようになるまでは優しく、そっと注意してあげてください。

 保護者の皆さんも3歳になったのに指しゃぶりがまだ出る、と焦ることはありません。少しずつ指しゃぶりの頻度が少なくなってきて、おのずと習癖がなくなると理解していただければよいと思います。しかし小学校入学間近でも指しゃぶりの癖が強く残っている場合は、歯科医院に相談してください。(県歯科医師会)