「国民皆歯科健診」 成人も定期的に口腔管理

 

 政府の骨太の方針に国民皆歯科健診が記載されました。骨太の方針とは、正式には「経済財政運営と改革の基本方針」というもので、その中で「生涯を通じた歯科健診に向けた取組の推進」とうたわれています。これが国民皆歯科健診のことを指しています。

 骨太の方針は政府の最重要方針ですので、そこに記載されますと、国が一丸となって取り組むことになります。歯科医師会でも、最重要課題として取り組んでいます。

 今まで、歯科医師会では、子どものむし歯を減らし、高齢者の歯をできるだけ多く残すことに力を注いでおり、成果を上げてきました。その半面、健康な成人に対しては、口の中も健康に見えるだけに、企業健診などを除き、あまり積極的な歯科健診は行われていませんでした。

 その一方で、成人の歯周病や、う蝕は症状もなく静かに進行する疾患で、その予防を怠ると、高齢になってからの口腔(こうくう)機能の低下が増してしまいます。こうならないために、国民皆歯科健診が打ち出されています。

 しかし、その道は険しく、マンパワーや費用などの面から、その方法論で困窮しています。歯科健診は大事ですが、まずは、かかりつけ歯科医を持ち、定期的に口腔管理をすることから始めましょう。(県歯科医師会)