「かみ合わせの大切さ」 受け口、奥歯への負担大

 

 「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動をご存じでしょうか? お口の健康が着目されている近年、8020達成者は50%を上回っております。しかしながらかみ合わせが悪い場合は多くの歯を残すことが難しいとされており、特に受け口(反対咬合(こうごう))は奥歯への負担が大きく、多くの歯を喪失してしまう患者さんをよく見かけます。

 反対咬合の原因は、下顎が大きく成長するという遺伝的な要因と呼吸時の舌の姿勢や食べ物をのみ込む(嚥下(えんげ))時の舌運動の異常など普段意識せずに行っている習癖などが関与しています。

 反対咬合は、前歯の前後的な傾きの異常による歯性反対咬合、下顎を前に出してかむことによる機能性反対咬合、上顎と下顎の大きさの不調和による骨格性反対咬合の三つの種類に分類されます。反対咬合の種類により治療内容は異なりますが、いずれの場合も歯科医の早期介入が求められます。

 小児期の早い時期(6~8歳)から矯正治療を開始することにより、上顎と下顎の成長のバランスを改善することができます。また、正しい呼吸の仕方や舌の運動を身につけることで、治療後の正しいかみ合わせの維持を高めることが可能です。

 受け口などのかみ合わせの異常は、保護者が判断することが難しく気付かないまま放置されてしまう場合もありますので、お気軽に歯科医にご相談ください。(県歯科医師会)