歯ぐき出血、炎症のサイン 歯周病、全身に悪影響も

 

 歯周病は歯と歯肉の間の隙間(歯周ポケット)に潜む歯周病菌が原因で起こり、進行すると歯の周りの組織や歯を支える骨まで破壊されて、最終的に歯を失うことになる恐い病気です。また、炎症によって毒素が歯肉の血管から体内に入ることで、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞など全身的に悪影響を与えることがわかっています。

 歯周病は急性症状が起こった時は腫れや痛みを伴うことがありますが、多くの場合、慢性的な炎症が、強い痛みを伴わず続くので、気付かないうちに進行してしまうという厄介な一面があります。

 そこで、普段の歯磨き時に歯ぐきがぶよぶよしていないか、歯ぐきから出血していないか、注意することが重要になってくるのです。歯ぐきから出血があるということは炎症が起こっていて、歯ぐきの毛細血管から歯周病菌の出す毒素が体内に侵入しているかもしれないという重要なサインであると認識するべきなのです。

 また、歯周病の原因菌のうち特に毒性の強い菌の中には血液の中に含まれる鉄分を栄養としているものがあることも知られており、歯周病菌を増やさないようにするという意味でも歯ぐきからの出血には注意が必要なのです。歯ぐきの出血は決して侮らず、見逃さないようにしてください。(県歯科医師会)