いわきFC「8強」、延長で逆転勝利 全国社会人サッカー選手権

 
【VONDS市原FC―いわきFC】延長後半3分、左サイドからのクロスに反応したいわきFCのDF高野(左)が勝ち越し弾となるヘディングシュートを決める=新居浜市営サッカー場

 サッカーの第52回全国社会人選手権大会第2日は23日、愛媛県の新居浜市営サッカー場などで2回戦8試合が行われ、Jリーグ参入を目指す東北代表のいわきFC(県社会人リーグ2部)は延長戦の末、関東代表のVONDS市原FC(千葉県、関東サッカーリーグ1部)に4―2の逆転勝利を収め、準々決勝進出を決めた。

 いわきFCは24日、同サッカー場で行われる準々決勝で、東海代表のヴィアティン三重(三重県、東海社会人サッカーリーグ1部)と対戦する。午前11時開始予定。

 終了間際同点、延長で高野が千金ヘッド

 危機的状況からの勝利だった。試合終了間際に同点に追いつき、互いに譲らず迎えた延長後半。いわきFCのDF高野次郎が放ったヘディングシュートがゴールに吸い込まれた。「僕持ってます。最高でした」。歓喜の輪の中で高野の笑顔がひときわ輝いた。

 試合は前半に2点のリードを許す厳しい展開に。チームが攻めあぐねる中、高野は「流れは悪かったが、勝つ自信はあった。落ち着いてプレーできた」とセンターバックとして守備をけん引。2点のリードを許したまま突入した後半に、FWとして攻撃に加わった。

 「絶対にチャンスは来る」。空中戦での強さを生かして自陣からのロングパスに前線で競り合い、攻撃の起点となった高野。相手DFのマークが外れる瞬間が来ることを見越して、DF新田己裕にパスを要求した。延長後半3分、新田の正確なクロスがゴール前でフリーとなった高野の下に。「合わせるだけだった」と、値千金の勝ち越し弾を決めた高野。「愛媛に応援に来てくれた人たちと喜びを分かち合いたかった」と、ゴール後に観客席のサポーターに向けてガッツポーズした。

 日本フットボールリーグ(JFL)昇格へとつながる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ出場に「こだわりたい」と話す高野。持ち前の勝負強さがいわきFCを勝利に導く。