いわきFC...快進撃止まる 強くなる!悔しさ糧にさらなる成長

 
全国社会人選手権大会準々決勝での敗戦に悔しさをにじませるいわきFCの選手=24日、新居浜市営サッカー場

 試合終了のホイッスルと同時に、今シーズンの日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指すいわきFCの挑戦が幕を閉じた。愛媛県の新居浜市営サッカー場で24日に行われたサッカーの第52回全国社会人選手権大会(全社)準々決勝で敗れたいわきFC。目標としてきた大会での無念の敗戦だったが、悔しさを糧に成長を誓う。

 1シーズンでのJFL昇格を目指し、同大会の県、東北予選会でいわきFCは快進撃を続けてきた。県大会を圧倒的な力で制し、東北予選会ではいわきFCの3ランク格上に当たる東北社会人リーグ1部の優勝チームなどを撃破。破竹の勢いで全国大会に勝ち進んできた。

 県リーグ所属のいわきFCがJFLへ昇格するためには、同大会は重要な通過点だった。MF久永翼選手は「相手は全社の戦い方を知っていた。1年目で雰囲気や相手の力を経験できたことは良かった」と述べ「JFLを見据えたときに、この大会で相手を圧倒しなければいけない。今後、個々のレベルを上げる必要がある」と表情を引き締めた。

 指揮してきたピーター・ハウストラ監督は「燃えたぎる火を消すことなく、来年の大会につなげたい」とJFL昇格へ強い意欲を示し、チームの成長を確信した。チームを運営する「いわきスポーツクラブ」の大倉智社長は「上を目指す中での敗戦はどこも経験する。大事なのは負けた時。今回の経験を生かしてほしい」と述べた。

 上位大会進出はかなわなかったが、初出場で8強入りを果たし全国に強烈な印象を残したのは確かだ。いわき市から応援に駆け付けた自営業野田昇さん(54)は「最後まで戦う選手の姿に勇気をもらった」と語った。