いわきFC、白星発進 JFL懸け地域CL開幕

 
【いわき―北海道十勝】後半ロスタイム、チーム3点目となるシュートを決めるいわきのFW吉田知(右)=仁賀保グリーンフィールド

 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)への昇格を争う全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)は8日、秋田県にかほ市の仁賀保グリーンフィールドなど3会場で1次ラウンドが開幕した。Bグループで戦う東北代表のいわきFC(東北社会人リーグ1部)は、同フィールドで北海道十勝スカイアース(北海道リーグ)を3―1で下した。

 いわきは9日、同会場でボンズ市原FC(関東リーグ1部、千葉)と戦う。午前10時45分試合開始予定。

 FWバイロン、先制弾

 いわきのFWバスケス・バイロンは前半に先制点を決め、攻撃の流れをつくった。「地域CLでのチーム1点目を決めることができてうれしい」と充実感をにじませた。

 前半12分、MF金大生のクロスをゴール前で受けると、反転して左足でボレーシュートをたたき込んだ。気温11・6度とやや肌寒い中での試合だったが「青森の方が寒いので平気」と、母校の青森山田高で培った寒さへの適応力も見せた。

 FW吉田知樹、殊勲の3点目

 いわきは悲願のJFL昇格に向け、まず1勝を挙げた。北海道十勝を相手に内容では圧倒し続けたが、守備陣に「気の緩み」が出た後半に失点。負けられない戦いで、勝利の難しさを再認識する初戦となった。

 チームが2016(平成28)年に本格始動し4年目。目標とするJFL昇格が懸かる戦いで「楽には勝てない」ことは覚悟していた。初戦を終え、田村雄三監督は「選手にとって良い経験」と次戦を見据えた。

 途中出場したFW吉田知樹は「楽に勝てるとは思っていなかった。勝ち切れたことが重要」と表情を引き締めた。

 2点を先行し前半を優位に進めたが、後半25分に北海道十勝のカウンター攻撃で失点した。北海道十勝に流れが傾きかける中で、吉田知がチームを救った。

 FW吉田篤志からパスを受けると、得意のドリブルでDFをかわしチーム3点目を挙げた。吉田知は「つないでくれたボールをうまく決めることができた」と感謝した。

 「厳しい戦いになるが、得点を狙っていく」と吉田知。次戦は関東リーグ1部王者のボンズ市原FC。今季の集大成となる戦いは始まったばかりだ。