いわきFC、高みへ執念 FWバイロンの同点弾で地域CL優勝
Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で24日行われた全国地域チャンピオンズリーグ(地域CL)決勝ラウンド最終節。福井ユナイテッドFCと引き分けたいわきFCは最終成績2勝1分けで、地域CL初優勝をつかんだ。昇格が懸かった高知ユナイテッドSCとおこしやす京都ACの対戦は高知が3―1で京都を下し、いわきとともにJFL昇格を確実にした。
JFL昇格を確実にし、さらにタイトル獲得を目指した最終戦。敗戦の窮地を救ったのはFWバスケス・バイロンだった。後半同点弾を決め「優勝も目標だった。決して諦めなかった」ときっぱり。今季最後の公式戦でもチームが掲げる「勝利への執念」が際立った。
雨で水を含んだピッチ。条件は相手も同じだが、いわきは序盤から試合のリズムをつかめない。前半28分にはセットプレーから失点。しかしこの失点で、いわきの持ち味の球際の強さや速攻、パワフルさが戻った。
「攻め上がる時に(MF日高大と)目が合った。クロスが来ると感じた」とバイロン。後半7分、左サイドのMF日高がゴール前にクロスを上げると、相手ゴール前に走りこみ同点ゴールを押し込んだ。「チームを信じ、必ずチャンスが来ると思っていた」と話す。
卓越した技術が持ち味のバイロンは青森山田高で活躍し鳴り物入りで加入。今季は「試合に出られないこともあり苦しかった」と話すが、自ら反省する部分を見つめ直したことで意識が変わったという。
前線から相手に圧力を与える献身的なプレーや、誰よりも走り続けることができる体力を身に付け、今大会では1次ラウンドからスタメン出場。結果も残し、今ではチームをけん引する存在だ。「チームのみんなやサポーターのおかげで成長できている。さらに高みを目指したい」と宣言した。
前田「成長感じた」
「チームを一つにまとめたいとの一心だった」。広い視野でパスをさばき、試合を組み立てる守備的MF。前半28分の失点後、改善点を話し合ういわきの選手の中心にいたのは前田尚輝だった。
「福井ペースではだめ。一体感を取り戻し、試合のリズムをつくろう」と必死に声を掛けた。今季は失点後、選手同士で話し合うことを心掛けてきた。「同点に追い付けたことでチームの成長を感じた」と振り返る。
来季はいよいよJFLでの挑戦が始まる。「一人一人が勝利への気持ちを強め、チームのために戦うことが大事」と前を見据えた。
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