【いわきFC・JFLへの軌跡】実力Jリーグレベル!16チーム

 

 いわきFCが昇格を確実とした日本フットボールリーグ(JFL)は国内サッカーのカテゴリーではJ3の一つ下の4部に相当。1試合を残し既に今季の優勝を決めリーグ4連覇を果たしたホンダFC(静岡)などアマチュアトップ、そしてJリーグ参入を目指す強豪がひしめく。ホンダに昨季まで在籍したいわきの日高大(24)は「対応力が高い相手が多い。簡単な戦いではない」と気を抜かない。

 16チームが所属するJFL。ホンダは今季の天皇杯でJクラブを破り8強入りするなど、実力はJリーグレベルと称される。名門はホンダだけではない。昨季の天皇杯本戦でいわきが苦杯をなめたソニー仙台FCは「プロの横にいる最強アマチュア」をクラブ方針とし、24日時点でJFL2位につける。昨季の中国リーグと全国社会人選手権、地域CLを無敗優勝した松江シティFC(島根)が、今季参入したJFLで降格争いを続けていることからも、リーグのレベルの高さがうかがえる。

 所属チームの拠点は、北は青森県、南は宮崎県と全国各地に散らばり、試合では各地を転戦することとなる。そのため、いわきサポーターが試合会場に足を運ぶことも、これまでより労力が必要となりそう。県外のサポーター増も今後の課題となる。

 Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で行われた全国地域チャンピオンズリーグ決勝ラウンド最終節では、雨にもかかわらず今大会最多の1349人が来場。本格始動から快進撃を続けるいわきのファンは増えているが、チームとしては「まだ多くの人を集められる」と現状に満足せず、集客拡大を目指す。

 いわきは今季、選手による会員制交流サイト(SNS)での情報発信やチラシの配布などを強化した。結果、いわきFCフィールドで行われた東北社会人リーグ1部のホーム戦では9試合で7554人(昨季3167人)、1試合平均839人(同352人)と昨季の約2・4倍の観客が訪れた。今月開設した公式オンラインストアは首都圏や近畿地方からも購入が相次いでおり、担当者は「注目されてきたのを感じる。チームを知ってもらう良い機会」と手応えを語る。

 県外にもその名を知らしめるいわきは、文字通り、来季は1年間、全国区の戦いに挑む。所属リーグ不相応の圧倒的な実力を見せつけてきたチームの、新たな挑戦が始まる。