Jヴィレッジ「福島ダービー」元気発信 試合ができる喜び熱く

 
約2000人の観客の応援を受け熱戦を繰り広げる選手=28日、Jヴィレッジスタジアム

 Jヴィレッジスタジアム(広野町)で28日に行われたサッカーの福島ユナイテッドFCといわきFCの親善試合では、本県を代表する両チームの選手たちが、試合を通じて復興に向けて歩む福島の元気を発信した。試合開始前には11日で震災から10年を迎えることから、震災の犠牲者へ黙とうをささげた。

 試合は福島が1―0で勝利。福島の時崎悠監督は「復興拠点になっていたJヴィレッジで何か届けられるような試合をしようと言い続けてきた。白熱した試合ができた」と選手たちをたたえた。

 敗れたいわきの田村雄三監督は「お互いにスポーツの力で福島を盛り上げようとしているチーム。試合を行うことができてよかった」と話し、互いにプレーでサポーターを熱くすることを誓っていた。

 スタジアムには2128人のサポーターが駆け付けた。新型コロナウイルスの影響で声援が送れない中、拍手で選手のプレーを後押しした。スタジアムには、「サッカーができる喜びと感謝を胸に明日へ進もう!」などといった復興へのメッセージが入った横断幕が掲げられた。

 震災後から福島のサポーターを続けている白河市の自営業穂積学さん(35)は「両チームが強くなり、県全体がさらに元気になってほしい」と選手たちにエールを送った。

 いわきのサポーターとして、子どもと一緒に訪れたいわき市の主婦伊藤純子さん(39)は「震災当時は、子どもとサッカーで盛り上がれる日が来ると思わなかった」と親子でスポーツを楽しめる喜びをかみしめていた。