勝利へ「苦渋の決断」 いわきFC監督解任、田村新監督再建期待
シーズン折り返しを前にした突然の解任発表だった。「『魂の息吹(いぶ)くフットボール』を取り戻し、外連味(けれんみ)のないフットボールを取り戻すため、苦渋の決断をした」。J2いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(54)は14日発表したコメントで、村主(すぐり)博正監督(46)の解任が難しい選択だったことを強調した。
J3降格圏をさまよういわき。「愚直に勇気を持って、勝利を目指さないと」。大倉社長はこうもコメントし、選手の士気高揚への強い思いをにじませた。サポーターからは田村雄三新監督(40)の手腕に期待する声が上がる。応援をまとめる「コールリーダー」の会田陸人さん(20)は「選手の戦う気持ちも落ちていたように思う。田村新監督は精神面でチームを立て直してくれるはず」と語る。
苦戦の一因として挙げられているのは守備の連係ミスの多さだ。村主氏は「4―4―2」の布陣を替えずに修正を図ってきたが、田村監督はJFL時代、3バックや4バックを柔軟に採用しており、今後は選手の立ち位置から修正が入る可能性がある。
サポーターからは村主氏をねぎらう声も聞かれた。いわき市の白土正彦さん(40)は「J2に連れてきてくれた監督だからなるべく長くいてほしかった。『ありがとう』と伝えたい」と思いを語った。
18日のジェフユナイテッド千葉戦を経て、チームはシーズン後半に突入する。監督交代をきっかけに巻き返せるか。チームにサポーターらの熱い視線が注がれている。
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