いわきFC、大分に1-3で敗れる FW近藤がプロ初得点

 
【いわき―大分】3失点で試合に敗れ、肩を落とすいわきイレブン=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第8節ー。サッカーJ2のいわきFCは8日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で大分トリニータに1―3で敗れ、今季4敗目を喫した。通算成績は2勝2分け4敗で、順位は22チーム中17位。

 いわきは前半7分に先制を許し、後半20分、同23分に連続失点して3点差をつけられた。同36分には途中出場のFW近藤慶一のプロ初得点で1点を返したが、敗れた。

 いわきは次戦の12日、アウェーの石川県西部緑地公園陸上競技場(金沢市)で14位ツエーゲン金沢と対戦する。午後7時開始予定。

230409iwakifc2.jpg 【評】いわきは上位大分に完敗した。前半開始早々に先制を許すと、その後もボールの奪いどころが定まらず、技術で勝る大分に長く押し込まれた。後半は立て直し、鋭いプレスとカウンターで攻勢を強めた。しかし後半20分、大分に後半最初の好機をものにされると、その3分後にはミスで点差を広げた。攻めでは最後の決め手を欠き、相手のミスによる1得点にとどまった。(小磯佑輔)

 若手奮闘、次戦へ希望

「J2のレベルの高さ、自分たちの力のなさを痛感した」。いわきの主将MF山下優人は、力の差がはっきりと表れたこの日の試合をそう振り返った。ただ、若手が奮闘し次への希望も垣間見えた一戦となった。

 前半は大分のパス回しに翻弄(ほんろう)された。パス技術や巧みなポジショニングに秀でた大分に対し、いわきは武器とする果敢なプレスが機能不全。結果的に敵陣までおびき出される形となり、度々攻め込まれた。山下は「前半はプレスに行くときと行かないときの判断が前線と後ろで合わず、相手の攻撃を耐えるしかなかった」と反省する。

 ハーフタイムに村主(すぐり)監督の修正が入り、後半は一転してプレスでリズムに乗った。コンパクトな守備からカウンターでゴールに迫り、相手を押し込む時間帯もあった。ただ決定力に乏しいのが今季のいわき。決め手を欠く中、少ない好機を確実に仕留めた大分が追加点を上げた。

 いわきの完敗の背景には、主力にけが人が続出しているという事情がある。チームの柱の一人であるDF嵯峨理久も前半に負傷退場した。大きく戦力を落としている。そんな中でプロ初先発のDF辻岡佑真や後半から出場したMF芳賀日陽、MF鏑木瑞生ら若手が奮闘したことは好材料となった。今季を最後まで戦い抜くためには、新戦力の台頭が欠かせない。

 前を向くしかないチームの現状を、山下が代弁する。「新しい選手のパワーを上手くチームの力につなげたい」(小磯佑輔)