いわきFC、秋田とドロー 土壇場PK弾、終了間際追い付く

 
【秋田―いわき】後半25分、いわきのFW有田の右からのクロスに頭で合わせるFW近藤(右)=秋田市・ソユースタジアム

 サッカーJ2第23節ー。いわきFCは2日、アウェーのソユースタジアム(秋田市)でブラウブリッツ秋田と対戦し、1―1で引き分け、3試合連続の勝ち点をつかんだ。通算成績は5勝6分け12敗で、22チーム中21位のまま。

 いわきは後半33分、自陣ゴール前でクリアミスを相手に拾われ、先制を許した。しかし、試合終了間際にMF岩渕弘人がゴール前で倒されPKを獲得。岩渕がゴールを決めて追い付いた。

 いわきは次戦の5日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で栃木SCと対戦する。午後7時開始予定。

秋田戦スコア

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 【評】最後まで攻めたいわきが引き分けに持ち込んだ。前半は相手のセットプレーなどから自陣ゴール前にボールを運ばれ、守備の時間が長くなった。後半は試合の主導権を握り、FW有田らを中心にサイドから好機をつくった。後半33分にサイドを崩されて失点したが、終了間際にMF岩渕がPKを獲得。岩渕が自ら決めて追い付いた。(佐藤智哉)

 有田、右サイドで真価

 勝利することはできなかったが、チームの進化が見えた一戦だった。いわきは前半、相手の攻撃にじっと耐え、後半に攻勢を強めた中で、0―1から土壇場で同点に追い付いた。「勝てなかったことは悔しいが、負けなかったことは一歩、成長したと思う」。右サイドからのクロスでゴールに迫ったFW有田稜は手応えを語った。

 田村雄三監督による新たな起用法がはまりつつある。特に持ち味を発揮しているのが有田だ。村主(すぐり)博正前監督時代には主に前線の中央でプレーし、ストライカーとしての仕事を任されていたが、前節から右サイドで起用。得点には結び付かなかったが、後半13分にDF石田侑資、同25分にはFW近藤慶一のシュートをクロスでお膳立てし、ゴールを脅かした。

 「中学、高校ではサイドでプレーしていて自分でも得意だと思っていた。それに雄三さんが気付いてくれて、プレーがしやすくなり、持ち味も出せるようになった」と有田。フリーでボールを受ける機会が増え、前を向いて積極的にゴールに仕掛けるプレーが目立ち、チーム全体の攻撃が活性化した。

 新たなポジションとなり自信と手応えが深まりつつある中で、有田は「アシストばかりでなく、得点を取る気持ちは変わらない」と強調する。「もう一歩質を上げて点に絡み、死にものぐるいで次こそは勝ち点3を取る」。背番号「11」の新たな姿がチームを勝利へと導いてくれるはずだ。(佐藤智哉)

 岩渕、復帰後2戦連発

 試合終了間際にPKを獲得したいわきのMF岩渕弘人が、自らしっかり決めて2試合連続ゴール。「ラッキーゴールが続いて、リハビリを頑張ってきて良かったと思った。だが、勝ちたかった」。喜びよりも悔しさを前面に出した。

 昨年10月のけがから前節復帰したばかりだが、攻撃面で大きな存在感を示している。この日は後半19分から途中出場した。球際まで走り込んでくる相手に走力で対応し、何度も得点機をつくった。後半47分のPKでは、相手GKを見ずに練習通りの真ん中に蹴り込んだ。「この結果に満足していない。もっとチームに貢献したい」。次戦、ホームでの勝利を誓った。