いわきFC、ホーム白星 栃木に1―0、新体制4試合連続勝ち点

 
【いわき―栃木】後半26分、先制ゴールを決めて喜ぶいわきのMF岩渕=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第24節―。いわきFCは5日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で栃木SCと対戦、1―0で勝利し、5月17日の大宮アルディージャ戦以来となるホームでの白星を飾った。田村雄三監督の就任後は4試合連続で勝ち点を獲得。通算成績は6勝6分け12敗で、順位は22チーム中21位のまま。

 いわきは前半を0―0で折り返すと、後半26分にMF宮本英治からペナルティーエリア内でボールを受けたMF岩渕弘人が右足を振り抜き、3試合連続となるゴールで先制した。その後は豊富な運動量で相手を圧倒し、反撃を許さなかった。

 いわきは次戦の9日、いわきグリーンフィールドで水戸ホーリーホックと対戦する。午後6時開始予定。

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【動くグラフで見るJ2順位】


 【評】いわきが走力で相手を上回り勝利した。前半は長短のパスを織り交ぜ、試合を優位に進めたが、MF山下らが決定機を決められない。逆に拙守から決定機を許したが、GK鹿野が好セーブでしのいだ。後半はカウンターから多く好機を演出し、後半26分、CKの流れからMF岩渕がボレーシュートを決め、先制した。その後も運動量を落とさず、リードを守った。(小磯佑輔)


「勝たせる男」岩渕、復帰後3戦連発

 有言実行が止まらない。大けがからの復帰戦で涙の得点を決め「後半戦は自分が勝たせる」と誓っていた、いわきのMF岩渕弘人。復帰から3試合連続となる得点は、チームを勝利に導く決勝ゴールとなった。「ちょっとうまくいきすぎかな」とにんまりだった。

 得点は後半26分、CKの流れから生まれた。こぼれ球を拾ったMF宮本英治からパスを受けると、脇目も振らず右足を振り抜く。「良い縦パスが来た。マークに付かれていなかったから思い切り足を振った」。ボールは雨でぬれた芝の上を滑りながら、左ポストに当たりゴールに突き刺さった。

 この試合でも「点を決める以外のところは良くなかった」と振り返ったように、復帰以降は細かい改善点があるという。それでも得点については「決められそうな雰囲気がずっと続いている。けがしてメンタルが強くなったのか...」と笑みがこぼれる。「いつまで続くのかは逆に怖いところでもある。でも仮に続かなくてもチームのためにプレーすることは変わらない」とも語った。

 シーズン前半戦では影を潜めていた「走り勝つ」サッカーが戻ってきている。今節は中2日での試合だったにもかかわらず、チーム全員がフル回転で足を止めなかった。試合の裏で「日本一厳しい練習をしている」(岩渕)という自負が選手の背中を押している。

 チームはこれで新体制となって4戦無敗。20位の金沢とは勝ち点で並び、降格圏脱出が見えてきた。(小磯佑輔)