FW谷村「燃えた」豪快弾、町田対策...高さと強い体買われ先発

 
試合終了後、サポーターに感謝を伝えるいわきFCの谷村=東京都・町田GIONスタジアム

 J2残留へ弾みをつける1勝を手にした。1日に東京都の町田GIONスタジアムで行われたいわきFC―FC町田ゼルビア戦では、いわきが首位の町田を撃破し、勢いに乗った。今季は残り5試合。2点目を決めたFW谷村海那は試合後、「次も勝つので応援お願いします」と声を張り、J2残留に向けてサポーターとの結束を固めた。

 勝利は「町田対策」がはまった結果だった。ロングスローやセットプレーからの得点を強みとする町田に対抗し、高さと体の強さがある谷村が先発起用された。

 「警戒しないといけない高さの問題で状態も良かった谷村を使った。攻撃の回数も増やしたかった」と田村雄三監督。ここ3試合は途中出場の谷村だったが、指揮官の期待に最高の結果で応えた。

 「久々のスタメンで燃えた。守備はもちろん、点も決めたいと思っていた」と谷村。競り合いや守備の貢献に加え、前線では左サイドから攻め上がり攻撃の起点になった。1―0で迎えた前半41分に豪快なボレーシュートを決め、自身11試合ぶりのゴールとなった。

 いわきは勝利への執念を見せ続けた。町田に1点差に迫られる中、途中出場のDF石田侑資が負傷退場するアクシデントに見舞われながらも、選手たちは体を張って町田の攻撃を防いだ。

 試合終了の笛が鳴ると、90分間戦った谷村らは静まる敵地のサポーターを前にピッチに倒れ込み、喜ぶ余力はなかった。田村監督は「選手がピッチに気持ちを落としてくれた」と選手の奮闘をたたえた。