処理水海洋放出、23年度分終了 第1原発、計4回3万1200トン

 

 東京電力福島第1原発からの処理水の海洋放出について、4回目の放出が17日に終了した。これにより本年度に計画していた約3万1200トンの放出は完了。昨年8月の放出開始以降、目立ったトラブルはなく、東電や国、県が実施している周辺海域でのモニタリング(監視)でも、異常は確認されなかった。東電は新年度、本年度を上回る約5万4600トンの放出を計画している。

 4回目の放出は2月28日に始まり、1日当たり約460トンを放出した。今月15日に本県沖を震源に最大震度5弱が観測された地震の影響で、放出を約15時間停止したが、当初の計画通り17日に7794トンの放出を終えた。

 放出を巡り、当初懸念された風評被害は確認されていないが、中国やロシアなど一部の国・地域が日本産水産物の禁輸措置を継続している。

 東電は新年度、7回に分けて処理水を放出する計画案を提示している。関係者の意見を踏まえ、最終的な計画を今月中に公表する考えだ。東電の担当者は「モニタリングの結果などから、放出は計画通り安全に進んだ」との認識を示した。